首相、揺れる再選戦略…「総裁選先送り」案は党内の猛反発でトーンダウン : 政治 : ニュース

自民党総裁選(17日告示・29日投開票)を巡り、菅首相の再選戦略が揺れ動いている。求心力の低下に危機感を強め、衆院解散で総裁選を先送りする強硬案を検討したものの、党内の猛反発を受けてトーンダウンさせた。今後は自民党役員人事による浮揚効果を慎重に見極める考えだ。
「新型コロナウイルス対策最優先だから、そんな状況にはない。ここは明快に申し上げておく」。首相は1日、首相官邸で記者団から解散について問われると、こう強調した。
主要閣僚の一人は首相の発言について、「今、この瞬間は解散を考えていないということだ。状況は刻一刻と変わっており、何が起きるか分からない」と解説した。「解散の可能性はわずかだけでも残しつつ、情勢を見守りたい」というのが首相の本音のようだ。
首相は当初、5日の東京パラリンピック閉幕後に解散に踏み切り、衆院選で勝利したうえで先送りした総裁選は無風で乗り切ることを目指していた。しかし、感染拡大に歯止めがかからず、9月上旬の解散は難しくなった。
首相の地元で行われた横浜市長選が敗北で終わると、党内の「菅離れ」は加速し、総裁選では岸田文雄・前政調会長に対して劣勢がささやかれるようになった。
このため、首相は自らに近い森山裕国会対策委員長の助言を踏まえ、〈1〉解散せず、閣議決定による「任期満了選挙」(10月17日投開票)〈2〉9月中旬の解散、総裁選先送り――の2案を検討するようになった。
任期満了選挙では、まず総裁選で勝利する必要があり、首相は解散案へと一気に傾いた。
ただ、解散への反発は党内で強く、首相が解散権を行使できる余地はほぼなくなっている。首相を「選挙の顔」とすることを危ぶむ中堅・若手議員の間では、両院議員総会の開催を求め、総裁解任を迫る案などが一時、取り沙汰された。安倍前首相は8月31日、党内の混乱を懸念し、解散に反対する考えを首相に伝えたとされる。小泉環境相も解散による総裁選先送りは自滅行為だとして直接翻意を迫った。
党内では、「首相が『解散できる状況にはない』と明言したことは重く、もはや閣議決定の任期満了選挙しかない」(閣僚経験者)との受け止めが広がっている。首相周辺は、「党役員人事で思い切った人物を起用し、総裁選と選挙に向けて空気を変えるしかない」と語った
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